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 80↑paradise Home>−特別記事−>NO.20 PV

●ラインシステム強度試験(第9回最終回)
−ラインシステムトータルバランスを考える−
−2009年1月実施−
条件1.メインとなるラインは、ファイヤーライン EXT 1.0号及び 1.2号。
条件2.リーダーは、VARIVAS VEP ショックリーダー25lbを使用することとして考えてみる。
条件3.スナップは、いままでどおりクイックスナップ#1.5(35lb)。時には#2(40lb)も使用する。


過去の試験結果より

項目 強度(kg) 強度(%) 摘要
メインライン強度1.0号(16lb) 11.15  
メインライン強度1.2号(20lb) 12.65  
SFノット 76.1 メインの76.1%
FGノット 90.6 メインの90.6%
漁師結びタイプ1 80.1 リーダーの80.1%
漁師結びタイプ2 94.6 リーダーの94.6%
クイックスナップ#1.5 10kg以下  
1ポンド=0.453kgとして計算。使用したライン、リーダー、スナップは条件1〜3による。




−シーバス釣りにおけるリーダーの必要性−





障害物、魚のヒレや歯等によるPEラインへの損傷を防止する。









PEラインは低伸度であるため瞬間的な力が加わりやすく、特に結び目が弱くなりやすいPEラインでは、すぐに破断強力に達してしまう。そのためリーダーには伸びやすいナイロンライン等を使用し衝撃を吸収してやることによってPEラインの特性を最大限に発揮させることが出来る。











ルアー(プラグ)はその形状と軽さから、飛行安定性に欠けるものは失速してあまり飛ばない。ナイロンラインを使用すれば”凧のしっぽ”と同様の原理が生きて飛行姿勢の安定を図れるが、PEラインは低比重・低吸水率で、シーバスに使用するPEラインは特に細いため、空気抵抗に乏しく効果が薄い。ルアーに太くて空気抵抗のあるラインを接続することにより、”凧のしっぽ”効果が得られ飛行安定性が増す。ルアーによっては相当の飛距離アップが計れる。






着水時やハードトゥイッチによるテーリング回避(テクニック次第では回避可能だが)。






ランディング時は太いリーダーの方がつかみやすく、PEラインを素手でつかむよりずっと安全である。








PEラインは透明でないので魚が警戒する。だからルアーには透明なリーダーを接続し警戒させない様にする。と言う人も居るらしいが、青物のジギングでは明かだがシーバスには?どうなんでしょ。




−僕がクイックスナップを使う理由−


スナップとしての強度はクロスロックタイプより劣るものの、
一番に選択する理由は、

”ルアー交換のし易さ”です。

暗闇の中でもライトを点灯させず、すばやく交換出来ます。

クロスロックタイプも慣れれば可能らしいが、
僕は努力が足りないので慣れません(笑)。

メータークラスのシーバスなら分かりませんが
クイックスナップだからと言って、
通常のファイトでは破損しません。







−環境に優しいラインシステム作り−


メインラインよりも接続するリーダーの方を強くするのが普通だから、
ラインシステムのバランスを考慮しないと、
メインラインが切れる。

正確には、リーダーとのノット部だが、
品質の悪いラインならどこで切れるか全くわかならい。


万が一、根掛かりしてしまったときは、
チョンチョンあおったり、ちょっと強く引っ張った時、
ルアーが外れてくれれば問題ないが、
どうしても外れないときは無理に引っ張ることになる。

この時、切れて欲しいところは?

少しでも
環境に優しくしたいのであれば、
スナップとの結び目から切れて欲しいことになる。

そして、最悪でも
PEとリーダーの接続部であろう。


生分解性のラインやリーダー等が発売されているが、
同じ号数なら非常に弱い、伸びやすい、割高、水洗いが必要・・・等で、
使えない(普及していない)のが現状。の様だ。



−メインラインが一番弱くなる可能性もあるよ−



釣行の繰り返しによるラインの劣化(障害物等による傷は別問題)は避けようがない。


ある時、システムを組むときに切れてしまった。
とか
ちょっと引っ張ってみたら簡単に切れた!
とか
シーバスの凄い引きに切られた!(根ズレ等が無いのに)と言うのは、

おそらくこのような
極度に劣化したラインを使用しているからであろう。


このようなことが起きない様な
工夫をするとともに、
切れて欲しい弱いところを
故意に作っておく必要がある。


そのために、

やっとここから
本題です(笑)。

メインラインの強度を確保するには、
釣行毎に前回の釣行で使用した部分のラインを破棄して行きながら、
最低限の強度を保っておく方法がある。

しかし、ナイロンラインに比べて高価なPEラインを、
闇雲に切り捨てては、
「もったいない」ので、

今まで行っていた僕の技である、
釣行(システムを組む)毎に、
3m切り捨てる方法を再度検証してみた。


下表(図1)は、
釣行回数とラインの劣化による強力の関係(未使用新品からスタートの場合)を表したもので、
左側がライン先端、右へ行くほどリールに近くなる。

距離は1列3m区切りで、常に使用する範囲は
30mとし、1釣行毎に3m切り捨てる。
劣化の度合いは、常に使用する30mの部分は均一になると仮定している。



図1) 釣行回数と推定強力(1.0号の場合)
←ルアー側                     リール側→
距離(m) 0〜3 3〜6 6〜9 9〜12 12〜15 15〜18 18〜21 21〜24 24〜27 27〜30 30〜33 33〜36 36〜40
1回目(lb) キャストの繰り返しで 99.39% 24.46(lb) 未使用24.61(lb)
2回目   98.78% 24.31(lb) 24.46 24.61
3回目   98.17% 24.16(lb) 24.31 24.46 24.61
4回目   97.56% 24.01(lb) 24.16 24.31 24.46
5回目   96.95% 23.86(lb) 24.01 24.16 24.31
6回目   96.34% 23.71(lb) 23.86 24.01 24.16
7回目   95.73% 23.56(lb) 23.71 23.86 24.01
8回目   95.12% 23.41(lb) 23.56 23.71 23.86
9回目   94.51% 23.26 23.41 23.56 23.71
10回目   93.90% 23.11 23.26 23.41 23.56
11回目   23.11 23.26 23.41
12回目   23.11 23.26
13回目   23.11
↑釣行毎に先端部を切り捨ててゆく。緑色が濃いほど劣化が進んでいるところ。

過去のデータより、1釣行(4h)の劣化率=0.61%/回として強力を算出。
この方法だと
10回目以降は常に23.11(lb)で釣りが開始出来る。

オレは常に40mをキャストすると言う人は、4m切り捨てなければならないことになる。
50mの人は5m。




ラインシステム その1(ファイヤーライン EXT 1.0号の場合)


項目 強度(kg) メイン対強度
(%)
摘要
メインライン強度1.0号(16lb) 10.47 100 10回釣行以降の強度を100%とする
SFノット 76.1 メインの76.1%
FGノット 90.6 メインの90.6%
漁師結びタイプ1 9.067 86.6 リーダーの80.1%
漁師結びタイプ2 10.717 102.4 リーダーの94.6%
クイックスナップ#1.5(35lb) 10.0 95.5  
クイックスナップ#2(40lb) 11.4 108.9 #1.5の40/35倍
1ポンド=0.453kgとして計算


上記表から

組み合わせとして最良なのは、


PEラインを、「FGノット」でリーダーと結束し、

漁師結びタイプ1

スナップ#1.5
に接続。


これにより、最も弱い部分のスナップとの接続部から切れる。


強度は86.6%(9.067kg)






ラインシステム その2(ファイヤーライン EXT 1.2号の場合)


新品強度=12.65kg。10回釣行以降は93.3%の強度になることから
釣行時初期強度=12.65×0.933=11.80kg

項目 強度(kg) 強度(%) 摘要
メインライン強度1.2号(20lb) 11.80 100 10回釣行以降の強度を100%とする
SFノット 76.1 メインの76.1%
FGノット 90.6 メインの90.6%
漁師結びタイプ1 9.067 76.8 リーダーの80.1%
漁師結びタイプ2 10.717 90.8 リーダーの94.6%
クイックスナップ#1.5(35lb) 10.0 84.7  
クイックスナップ#2(40lb) 11.4 96.6 #1.5の40/35倍
1ポンド=0.453kgとして計算


上記表から

組み合わせとして最良なのは、


PEラインを、「FGノット」でリーダーと結束し、

漁師結びタイプ2

スナップ#1.5に接続。


これにより、最も弱い部分のスナップ自体が破損する。


破断荷重はおよそ84.7%(10.0kg)





スナップ#2
に変えただけで、


FGノットから破断し、

強度は、90.6%(10.69kg)





ラインシステム その3(チタニウムブレイド1.0号の場合)


未使用強度(リールの下巻きに近い部分)=9.12kg
10回釣行以降は93.3%の強度になることから
釣行時初期強度=9.12×0.933=8.51kg

項目 強度(kg) 強度(%) 摘要
メインライン強度1.2号(20lb) 8.51 100 10回釣行以降の強度を100%とする
SFノット 76.1 メインの76.1%
FGノット 90.6 メインの90.6%
漁師結びタイプ1 9.067 106.5 リーダーの80.1%
漁師結びタイプ2 10.717 125.9 リーダーの94.6%
クイックスナップ#1.5(35lb) 10.0 117.5  
クイックスナップ#2(40lb) 11.4 134.0 #1.5の40/35倍
1ポンド=0.453kgとして計算


上記表から

組み合わせとして最良なのは、


PEラインを、「FGノット」でリーダーと結束し、

漁師結びタイプ1(結束が簡単な方)で

スナップ#1.5に接続。



これにより、FGノットから切れる。


強度は、90.6%(7.71kg)




リーダーを20lbに変えると、


スナップとの結束強度(タイプ1)=20(lb)×80.1%=16.02(lb)=
7.26kgとなり、

スナップとの接続部から破断し、

強度は、85.3%(7.26kg)





ラインシステム組み合わせ例


実際問題として、
リーダーは傷が付きやすい等のことから、

リーダーの選択はメインラインノット強度の
10%増強度以上の
20〜35lbを選択し、
スナップとの接続強度がメインライン結束部を上回った場合は、
1ランク下のリーダーを選択した。


また、スナップの破損は避けたいので、
スナップとの接続部から切れる様な組み合わせとし、

最終的には、
「スナップとの結束部で破断させる」組み合わせを下表に整理してみた。




ファイヤーラインEXT1.0号
メインライン メインライン
ノット強度
(%)
kg
リーダー
強度
(lb)
kg
スナップとの接続 スナップ システム
組合せ
銘柄 実強度
kg
タイプ1
(80.1%)

kg
タイプ2
(94.6%)

kg
#1.5
(35lb)
kg
#2
(40lb)
kg
#3
(60lb)
kg
ファイヤーライン
EXT1.0号
10.47 SFノット
(76.1)
7.97

リーダーは
10%増
8.77
以上
(20)9.06 7.26 8.57 10.0    
SFノット
+
20lbリーダー
+
タイプ1接続で
+
スナップは
#1.5

(22)9.97 7.98 9.43    
(25)11.33 9.07 10.71 11.4  
(30)13.59 10.89 12.86   17.1
(35)15.86 12.70 15.00    
FGノット
(90.6)
9.49

リーダーは
10%増
10.44
以上
(20)9.06 7.26 8.57 10.0
FGノット
+
25lbリーダー
+
タイプ1接続で
+
スナップは
#1.5

(22)9.97 7.98 9.43
(25)11.33 9.07 10.71 11.4
(30)13.59 10.89 12.86 17.1
35(15.86) 12.70 15.00
1ポンド=0.453kgとして計算  赤着色セルが選択場所、赤数字が切断箇所



ファイヤーラインEXT1.2号
メインライン メインライン
ノット強度
(%)
kg
リーダー
強度
(lb)
kg
スナップとの接続 スナップ システム
組合せ
銘柄 実強度
kg
タイプ1
(80.1%)

kg
タイプ2
(94.6%)

kg
#1.5
(35lb)
kg
#2
(40lb)
kg
#3
(60lb)
kg
ファイヤーライン
EXT1.2号
11.80 SFノット
(76.1)
8.98

リーダーは
10%増
9.88
以上
(20)9.06 7.26 8.57 10.0    
SFノット
+
22lbリーダー
+
タイプ1接続で
+
スナップは
#1.5

(22)9.97 7.98 9.43    
(25)11.33 9.07 10.71 11.4  
(30)13.59 10.89 12.86   17.1
(35)15.86 12.70 15.00    
FGノット
(90.6)
10.69

リーダーは
10%増
11.76
以上
(20)9.06 7.26 8.57 10.0
FGノット
+
25lbリーダー
+
タイプ1接続で
+
スナップは
#1.5

(22)9.97 7.98 9.43
(25)11.33 9.07 10.71 11.4
(30)13.59 10.89 12.86 17.1
35(15.86) 12.70 15.00
注)FGノットの場合、リーダーは30lbの選択になるだが、
スナップ部の強度が上回るため1ランク下げた。



あくまで選択例でしたが、

上記組み合わせで一番弱いシステムでも計算上
7.26kg
ポンドに直すと、
16.03(lb)。

僕が愛用している「87LML アーバンサイド カスタム」の推薦ライン強度の
MAXである。

リールのドラグをフルに締めていたら、
ラインが切れるかロッドが折れるか微妙なほど強いのだ。

「91.5L ナイトメア カスタム」に至っては、
MAX12(lb)だからロッドが破損するだろう。

でも、僕のドラグ設定のほとんどは2kg以下(標準で1kg前半)なので全く問題はない。
仮に
1.5kgとしても、システム強度の1/5(20%)にしかならない。



根ズレが起きやすい磯やストラクチャー回りを攻める場合、
上表より太めの(強い)リーダーを使用したくなる場合もある。

その場合は、メインライン結束部から切れるのが普通であるから、

更にメインラインの強度を上げて、
再度システム全体のバランスを考える必要がある。




最後に、

これらの実験結果はあくまで僕がやって来たシステム作りの検証と、
今後の方向性を見出す為の実験であり、
ノットの強度は人によりまちまちなはずです。

これからシーバス等をやりたいが、

●なぜリーダーが必要なのか?
●リーダーの太さはどうやって決める?
●いろんなノットがあるけど何を基準に選べばいいの?
●スナップは?

と悩んでいる人へ少しでも参考になれば幸いですが、
難しく考えず
実釣から得た経験が最も信頼できるデータです。


「失敗は成功のもと!」


失敗を恐れたり、忘れていては進歩しません。



魚を探すのも、釣るのも、食っちゃうのも楽しいけれど、

工夫して、実行して、失敗したとしても、

それは普段の釣りより、ずっと楽しい釣りができますよ。



by:監督



では、良い釣りを・・・。


※記事中の計算ミス等があればこっそり教えてくださいませ。



NO.19.●スナップ結束・・・(第8回)<NO.20.●・・・(最終回)トータルバランス

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